スイスを拠点とするRINCO Ultrasonics AG社は世界最高品質を誇る超音波装置のパイオニアとして、40年以上に渡りその応用技術開発において世界中で信頼を得ております。我々ユーシー・ジャパン(株)と同様に、超音波総合メーカーのクレストグループの1社としてワールドワイドにビジネス展開をしております。

 

超音波パウチシーラー

ヒートシーラーでお困りはございませんか?

超音波フィルムシールの原理

超音波フィルムシール技術とは、電気エネルギーを機械的エネルギーに変換した超音波振動振幅を利用して、超音波振動ホーンと固定治具アンヴィルとの間にフィルムを挟み、フィルム材料(熱可塑性樹脂同材質)の界面に均一に摩擦エネルギーを発生させ、瞬時に溶融溶着する技術となります。

分子間結合による溶着のため、素材強度を確保する事が可能です。

超音波パウチシーラー

超音波シールの利点

  • シール界面に噛み込物が発生した場合、超音波シーラーの方が溶着強度を確保する事が可能。
  • 超音波シールは液体、パウダー、固形物の噛み込発生時でも溶着する事が可能。(要サンプル確認)
  • ヒートシーラー用の包材よりも薄いフィルムでも超音波シールであれば可能な場合もあり、材料コスト削減に対応可能。
  • 超音波溶着のシール強度再現の信頼性は優れております。
  • パウチ包材の個々超音波シールデーター(Ws,ms,Energy等)を基に、条件設定が容易に可能。
  • 超音波シール技術は熱源を使用しない為、ホーン・アンヴィルからの放射熱による影響を受けない。(卵・乳製品、チョコ等)
  • ヒートシーラーでは不可能な、複合フィルム(シンプル・高機能)においても超音波シーラーでの可能性は高い。
  • 電源起動後に即溶着可能。暖気運転は無用。

RINCO超音波パウチシーラーの特徴

プロセス技術(PPS0145米国特許番号取得、日本・欧州向け申請中)

  1. シール面積を多く確保可能。(溶着強度の再現性と信頼性)
  2. シール模様(輪郭)を付ける事が可能。(ヒートシーラーのような模様付も超音波シールで可能)
  3. 幅広い超音波設定条件が対応可能。(1条件で複数包材に対応)
  4. 要望に応じて剥離強度を超音波条件から調整可能。(開梱し易さ)

装置技術(米国特許申請中:FPAアクチュエーター)

  1. 自動充填梱包機へのヒートシーラーから超音波シーラーへの容易な搭載可能としたデザイン。(インライン・ロータリー向け)
  2. 包材種類別に(最大270㎜幅)、 (最大163㎜幅)、 (最大150㎜幅)、3機種の装置をラインナップ。用途サイズに合わせアクチュエーターを選定可能。
  3. 包材シール強度に要求される高精度・高剛性な構造。
  4. ホーン側・アンヴィル側の両方開閉ストローク。包材への干渉防止及びタクト短縮。
  5. コンバーター・ブースター・ホーン・アンヴィルへの空冷機構。(アンヴィルは水冷も可能)

超音波発振器技術(AGM発振器)

  1. 完全デジタル制御による精密な超音波発振制御。(電圧変動、加圧、抵抗変動、発熱時にも安定振幅を維持)
  2. 溶着モードは【時間制御】、【エネルギー制御】、【連続発振】を内蔵。
  3. ピークパワー時での安定振幅制御機能。
  4. 様々な(14件)エラー判定機能。
  5. 各溶着モードにおけるリミット設定。
  6. 溶着工程のエネルギー/時間波形からトラブルシュート。(専用PCソフト)

超音波コンバーター・ブースター技術

  1. 完全リジット構造による組付け。ゴムOリングを使用しない為、加圧時のゴムダンピングを発生させない。
  2. コンバーターはIP67構造で洗浄可能。内部(PZT素子)の直接エアー冷却が可能。

超音波シールに必要な3要素

  • 溶着加圧:超音波ホーンとアンヴィルで包材を継続して加圧する力。包材厚み、材質、タクトにもよって調整は必要となります。推奨する単位面積当たりの溶着加圧は(数値A・Bは実験時に公表)N/m2となります。
    MPa簡易換算式:A×シール面積(縦×幅㎜2)~B×シール面積(縦×横㎜2)
  • 超音波振幅:熱可塑性樹脂を溶融させるに必要なホーン端面の振幅量(p-p)となります。フィルム厚・素材にもよりますが、推奨される振幅量は(数値は実験時公表)μm程となります。RINCO社にて出荷前調査を行い、最適な最大振幅を条件設定としております。
  • 超音波発振時間:一定の溶着加圧と超音波振幅の環境で、シール対象のフィルムに対する超音波発振時間となります。時間制御またはエネルギー制御モードにて発振される時間は決定されます。素材厚にもよりますが、60(薄い)~750(厚い)msの発振時間が参考となります。

超音波工具に必要な5要素

  • 超音波発振器:単相230VAC(±10%)電源から、高周波(20kHz)高出力電圧をコンバーターに印加する発振器です。
  • コンバーター:発振器からの高周波電圧を物理的な機械振動に変換するためのPZTセラミックス(ピエゾ素子)です。
  • ブースター:コンバーターからの振動振幅を機械的に増幅させてホーンへ伝搬させます。装置装着クランプ部ともなります。
  • ホーン:安定した先端振幅量(振動方向)を発揮するために、20kHzの固有振動数にチューニング(有限要素解析FEM及び微調整加工)されたチタン製工具となります。
  • アンヴィル:ホーン反対側に配置された治具(振動はしません)です。20kHzホーンの振動及び加圧力に耐えられるように設計された高剛性な治具となります。レベルアジャスト機構及び水冷機構を持っております。

自動機搭載時に注意事項

  • パウチセンサー:ホーン空発振による破損を防止するため、包材の有無判定用センサーを配置下さい。
  • 冷却エアー:コンバーター、ブースター、ホーン、アンヴィルへの圧縮エアーによる冷却は必ず必要となります。アンヴィルに関してはチラー水による水冷も可能です。
  • 圧縮エアー:FPAヘッド1台(シリンダー用、冷却用)当たり250L/分の能力が求められます。
  • PLCハッチパネル:汎用ソフトを利用し必要項目を御社PLC用規格に合わせて改良して使用して下さい。

参考データ

各種噛み込サンプル15㎜幅を引張強度試験にて強度測定

超音波パウチシーラー 参考データ:各種噛み込サンプル15㎜幅を引張強度試験にて強度測定
超音波パウチシーラー 参考データ
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